海よりも深い



「こんばんは~」

玄関から、久々に聞く声がする

「あれ?拓海じゃん。久しぶり」

幼なじみだけど、年が同じでクラスも一緒の春夜に比べたら俺は高校入ったぐらいからはそんなに頻繁に会わなくなってた
「なっちゃん久々~かーちゃんがこれ持てけって言うから、おばさんに渡しといてよ」
「ありがと。あがってくだろ?」
俺は、包みに入った箱を拓海から受け取って家の中へ促した
「うん、じゃちょっとだけ」
拓海は迷惑そうでもなく玄関で靴を脱ぎ始めた
「あ、でも今春夜父さんの仕事場におつかい行かされてて居ないんだけど」
上がれって言ってから思い出したから言ってみたけど
「いや、あいつはどーせ毎日会うから別に居なくてもいーよ。なっちゃんの部屋で待ってて大丈夫?」
ということだったので、断る理由もなく部屋に通した
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