海よりも深い
「―――ま、フツーに考えて受け入れられねーだろけど」

黙ってしまった俺に、ちょっと真剣な響きを帯びた拓海の声がそう言って、俺は顔を上げた
拓海の表情にからかいの色はない

でもさ、と続ける

「ホントにゼロの可能性なら男で家族の奴に好きだなんて言われたら拒絶すると思うけど、そーじゃないんだろ?」

「・・・ん」

「なっちゃんも一緒に住んでりゃ分かると思うけど、あいつ女つくったことねんだよ、モテるんだぜ?顔はいいから」

「そーなのか?」

知らなかった。モテるんだあいつ。

「そーだよ、でもなっちゃん一筋だからいらないんだってよ」

・・・そーなんだ?
「そんだけマジって事だろ、俺も最近まで冗談かと思ってたけど」
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