海よりも深い
そうか、となっちゃんが腹の辺りまで脱げてた布団を掛け直してくれた

「なっちゃん・・・うつるよ」

今日色々考えすぎて知恵熱かな、と思ったけど頭も咽も痛いから風邪かもしれない

「いーよ。どうせ同じ家ん中居たらうつるから気にせず寝てろ」
頭を撫でられて子供になったみたいな気になる
口は悪いけどなっちゃんは優しい
男にも母性本能ってのがあるのか昔から、弱ってる時は特に優しい

「ん・・・ごめん」
頭を撫でる手の重みが気持ちよくて目を閉じた
無性に、甘えたい

「寝るなら部屋帰っとくけど、一人で大丈夫か?」

なっちゃんが目を閉じた俺が寝そうだと思ったみたいで気をきかせて聞いてきた
「大丈夫じゃない・・・寝ないからちょっとここに居て」

俺は弱ってるのをいいことにキモイ甘え方をしてみた
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