海よりも深い
【夏海side】

パニック

春夜にキスされた

俺はそのあとどうやって自分の部屋に帰ったか覚えてない
朝は春夜の風邪が気になったけどそのまま家出てきてしまった

俺は完璧パニックだった


「夏海、一年が廊下来てるぞ」
クラスの奴にそう声を掛けられて教室の入り口を見ると、三年の通路で居心地悪そうな拓海だった

「ありがと、行く」

昼休みで通路が騒がしくて拓海も三年にジロジロ見られるのが明らかにうっとーしそうだったので、階段の踊り場まで移動した
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