緋色の奇跡
「やっぱ見つかんね~!!」


数分して、凌が音をあげるのを見て、私も「ダメなのかな?」と心の中で呟いた

フワッと手をかざしたクローバーを、軽く撫でるようにもう1度探していく


「てかさ、知ってる?」


突然紡がれた言葉に、私は「何を?」と頭を上げて、彼を見つめた


「クローバってさ、踏んだら四つ葉になんの」


ニッと笑いながら彼は立ち上がると、突然自分の足もとのクローバを踏み始めた


「え!?ちょっと!!可哀そうだから!!!」

「だいじょーぶ!こいつら強いから、これくらい平気なの」


そう言って彼は草原を踏みながら、説明を続けた


「何でかはよく知んねーけど、コイツら衝撃を与えたら、ビックリして1,2枚葉っぱ生えるんだよ」


「面白いよね~」と言いながら、彼は満足気に笑うと、再び私の方にやってきて腰を下ろした


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