緋色の奇跡
「うそだぁー」


どうか夢でありませんように

そう思うと、涙が零れていた

ポロポロと幾筋にも分かれて、頬を伝っていく

そんな私の涙を拭って、彼は微笑むと、私に向って「じゃあ、ウソって言っとく?」と意地悪を言う


「やだぁ」

「でしょ?」

「でも……」

「でも?」

「だって、でも、何で私なんて……」


「さぁ?どうしてだろうね」そう言って彼は頭をかいた


「思い出したんだよ」

「何を?」


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