緋色の奇跡
「当時、わしが帰ってこれるかどうかわからないような戦争の時代じゃったのに、彼女の返事はそれじゃった。面白い人じゃろ?」
それでも、私にはそのサクラさんの気持ちが分かる気がした
戦争の事は置いておいて、そう告げた彼女の気持ち
この人は帰ってくると信じるしかないだけで、その事を口にしたくない
それなら……
そう言った彼女の気持ちが分かるような気がした
「とても素敵な方だったんですね。そうして、そういうのやっぱり素敵です」
「そうじゃな、今のお嬢ちゃん達のような感じだったかな」
悪戯っぽく笑うおじいさんに、私は驚いて「えぇ!?」と声を上げてしまう
そんな私の反応を面白そうに眺める彼に、私はからかわれていると悟ったのと、隣で凌が声を押し殺しながら笑っているのに気がついたのは、ほとんど同時の事だった
それでも、私にはそのサクラさんの気持ちが分かる気がした
戦争の事は置いておいて、そう告げた彼女の気持ち
この人は帰ってくると信じるしかないだけで、その事を口にしたくない
それなら……
そう言った彼女の気持ちが分かるような気がした
「とても素敵な方だったんですね。そうして、そういうのやっぱり素敵です」
「そうじゃな、今のお嬢ちゃん達のような感じだったかな」
悪戯っぽく笑うおじいさんに、私は驚いて「えぇ!?」と声を上げてしまう
そんな私の反応を面白そうに眺める彼に、私はからかわれていると悟ったのと、隣で凌が声を押し殺しながら笑っているのに気がついたのは、ほとんど同時の事だった