緋色の奇跡
PM 15:30

「ちょうど良い時間だし、カフェとか入ろっか」


凌の言葉に3人で頷き合い、私たちは地下街をウロウロしていく

前で沙良と泉くんが話している後ろを、私と凌はついていく


「なぁ、瑞杞」


突然かけられた声に、3年経っていても私の心はトキメキを感じている


「ん?」


冷静に、いつもの私らしく私が彼の方を向くと、彼は優しく笑っていた


「今度はさ、2人で来ねぇ?」

「え?」


きっと、マヌケ面の私の顔

最初は彼の言っている言葉の意味が分からなかった


「また、受験が終わったら、一緒に映画でも観にいこ」


再びそう尋ねる彼に、私は「うん」と言葉を返したかった


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