緋色の奇跡
元々姉妹というのはそこそこ似ているものだろう

髪型が違えばそれなりに違いが出てくる私たち姉妹だけれど、髪型を一緒にしてしまえばすごく似ている事が分かる私たち

達杞ちゃんが亡くなった頃、彼女はショートカットの髪型をしていた

髪を短く切った私は、彼女の亡くなった歳に近づいた分生き写しの如くだろう


「似合うわよ、瑞杞」


優しく微笑んだ彼女の顔に、私は肩の力が抜けたのを感じた

感動の言葉?

そんなのいらない気がした

言葉がなくても、もう分かる気がした

お互いの言いたい事、思っていた事


『逢いたかった』


何て言葉で済むようじゃない、安心した気持ち

でもこれからはちゃんと言っていこうと、あの日のメッセージを聴いて思った

これからは思った事をちゃんと言う

勘違いしない為に


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