緋色の奇跡
彼のもとに行かなきゃ……


そう思って、ようやく彼のもとに駆け付ける


「凌!?」


彼の名前を呼ぶ私の声が、上ずっているのが分かる


「瑞杞!動かさないで!!」


お母さんの声に、私の肩はビクリと反応し、動きを制止される

どうしら良いか訳が分からなくなって、彼の隣に座り込んだままの私を、他の看護師が立たせて移動させる

覚えているのは、お母さんの声と、彼が処置室に運ばれていく姿


これは夢?

悪夢だ

訳が分からない


お願いだから、誰か夢だと言って………


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