緋色の奇跡
「……き!みず…き!!瑞杞!!!」


呼ばれる声で私は目を覚ます

あぁ、沙良だ

目の前に沙良がいる

その横に、泉くんがいる

なんだ、夢だったのか

そうだよね、夢だったに決まってる

スッともう1度瞼を閉じて、私はまたゆっくり目を開けた


「ここは?」


白を基調とした、部屋

自分の部屋でない事は分かる

独特のその香りに、私は疑問を口にした直後にここがどこだか理解した


「病院のベッドだよ、瑞杞……」


ゆっくりと沙良がそう言うのに「みたいだね」と言葉を返して、起き上がる


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