緋色の奇跡
「まだ寝てたら?」


そう言う沙良に「大丈夫」と笑顔を返して、私はボーっとする頭で、出てくる質問を言葉にしていく


「私、どれくらい寝てたの?てか、何で寝てたんだ??」


色々分からない事が多すぎて、何から尋ねたら良いのか分からなくなる


「5日くらい。ずっと寝てたの。瑞杞のお母さんから『倒れた』って連絡もらって、何とか車で帰らせてもらったの」


その言葉を聴いて「あぁ、そうだ、地震が起きたんだった」と思いだす

そうだ、私は凌とここまで帰ってきたんだった

そうして、お母さんと再会出来て……それで…………


「凌!!」


思いだした記憶に、私は慌てて沙良の方を見る


「凌は?凌は??凌は、どこに……いるの?」


部屋を見渡しても、彼の姿は見当たらない



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