緋色の奇跡
「瑞杞……」


かけられた声に私は顔を上げる

そこに映るのは、心配そうな顔をした沙良の姿

いつの間にか私いる場所も、会議室からどこかの部屋にいる……


「瑞杞……」

「沙良……?私一体……」

「また眠ってたの」


誰かが私をここに運んでくれたという事か……


「凌……は?」

「瑞杞……」


無意識のうちに頬を涙が伝っていく


「瑞杞、ご飯食べよう?ずっと何も食べてない……」

「食べたくないよ……」

「瑞杞……」


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