緋色の奇跡
瑞杞へ



このメールを見てるって事は、俺瑞杞を泣かせちゃったよな

ごめん、ほんとはずっと分かってた

あからさまな頭痛に、何となくヤバい事は感じてた

でも、言ったら絶対すぐにどこかの病院に連れてかれるのも分かってたんだ

そうして、俺の事を待たずして、瑞杞が家に帰ろうとする事も分かってた

だから、何も言わずにずっと傍にいたんだ

あの日、あのかくれんぼをしていた日には焦ったなぁ~

親の話でごまかしたけど、正直あの時は頭痛がひどかったんだ

もう無理なのかもって思った

こんな俺の気持ちを伝える事も

もしもの事があったら、言わなければ良かったと思う気がしたから、言わないでおこうと思ってた

でも、満月のあの夜

瑞杞が俺に「好き」だと言う事に気づいたとき、俺が先に言ったよね

そうした方が、良いかなって思ったんだ

だから俺から告白してOKをもらったんだ

そう言う事にしておきたかったんだ


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