緋色の奇跡
「泉、お前大丈夫か??」

「うーん、とりあえず問題といてみねぇと、受験のために覚えた知識を維持できてっかは不明だな~」


ニッと笑いながら冗談を飛ばす泉くんに凌も安堵の溜息をつくと、「アホウ」と言って一発彼を殴っている


「いっ……つ」


隣で体を動かそうとした沙良が、小さく苦痛の声を上げた事に気がついて、私は焦って彼女の方を振り返った


「沙良?どこか痛いの??」


心配そうに尋ねる私をなだめるように、沙良はペロッと舌を出しながら「足やっちゃったかも」と苦笑いする

私たちが「足やっちゃった」と言う時は、中学時代から決まって「捻挫」だ


「ちょっとごめんね」


そう言って私は彼女の足に手を伸ばした


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