緋色の奇跡
しっかりとした言葉が私の耳に届いた



彼女を助けなさい



その声が届いた瞬間、私は沙良の声が聞こえた気がした


「――――き!大丈夫だからね。瑞杞、大丈夫だから……」

「さ……ら………?」


焦点が合わない視界の中、ぼんやりと見えるのはたぶん沙良


「瑞杞!?良かった、ちゃんと戻って来たわね」

「……バカ…ね~私がどこに行くって言うのよ?」



『彼女を助けなさい』



あぁ、また達杞ちゃんの声が聞こえる

そうだ、彼女……

真っ赤に染まった彼女を助けなくては


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