緋色の奇跡
沙良はいつもムチャクチャ

突然電話しておいて、私の意見なんて問答無用でムシ!

この日も


「突然何言って……」
『じゃあ、今日の1時に大阪でね』


と私の言葉を遮って、通話は強制終了された

そんな事をされても、私は結局ちゃんと出かける用意をして、外に出てしまう


普通、今日って言われて行ける人っているのかなぁ……


自分の予定の無さに、逆に感心しながら私は駅へと向かう


そう言えば大阪って方向どっちだ?北?


そんなどうでもいい事を考えながら空を見上げた

綺麗な快晴

雲なんてほとんどない


だからその雲一際目立って目についた


「なんか変な雲~……」


その瞬間、私の後ろで鳥の大群が飛び立った音がした

気持ちの良い日なのに

どうしてだか私の胸は、少し不安を感じていた


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