緋色の奇跡
6つ年が離れている達杞ちゃんは、有名大学の医学部に通うほどの秀才だった

私の面倒をみながらも、彼女はしっかりと勉強してた事を、私はいつも見て来たから知っている

それは家を継ぐためだったのかもしれない

それが両親の願いでもあった

そんな達杞ちゃんはいつも輝いて、私の憧れだった

その日彼女は、私の隣でその華奢な体を白いワンピースで包み、私たちはショッピング楽しんでいた


「達杞ちゃんはお昼何食べたい??」

「ん~?瑞杞の食べたいもの?」


思う存分買い物をして、次は胃も満たそうと話していた会話

目の前が赤信号だから、私たちは横断歩道の前で次の予定を話し合っていた

お昼に食べるものを決めるのでさえ、達杞ちゃんは私本位

私が「何食べたい?」と聞いてもこの返しだ


「も~!!私は達杞ちゃんが食べたいもの聞いてるの!!!」

「だから、瑞杞の食べたいものだよ」


そう言って笑いながら、信号が青に変化したことを確認して、私たちは道路へと足を踏み出した


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