緋色の奇跡
「こういう訳で、その日から私は血を見たら、呼吸困難起こしたり、倒れたりするようになっちゃったの」


私の話に終始何も言わず耳を傾けていた3人が、息をのむ音が聞こえた気がした


「でも、何か今日ふっきれたから!大丈夫だから!!」


明るく私はそう言ってみるのだが、3人……特に沙良は信じていない様子

沙良は私の方をジッと見つめると、途端に溜息を洩らした


「たく……どうせ止めたって、あっち行くんでしょ??」


沙良のお父さんたちが向かっていった方向を彼女は指さすと、呆れたようにそう言った

無言でうなずく私に、次は凌が溜息を洩らした

少し膨れっ面でみんなを見ていると、彼らは3人諦めたような表情になって立ち上がった


「瑞杞が行くってきかなくて」
「1人で行かせるくらいなら」
「俺らも行かなきゃね~」


3人息ぴったりにそう言うと、私に向ってニッと笑ってくる

全く、私の周りには超良い人人間しかいないのだろうか??


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