緋色の奇跡
「あぁ、確か食器棚の下敷きになっていたよ」


彼のその言葉に、私は1つの可能性を捨てられずにいた


「瑞杞??」


突然後ろから声をかけられ、驚いて振り返ると、そこにいたのは凌だった

「眉間にしわ寄ってるぞ~」と言いながら私のおでこを小突くと、彼は「どした?」と私に尋ねた

言うか言うまいか悩みながら、私は小さく言葉を発した


「クラッシュ症候群……」

「クラッシュ……症候群??」


私の言葉に彼が首を傾げると、私は慌てて説明した

「ただの思いすごしかもしれない」そう前置きしてから、私は彼らにクラッシュ症候群についてを語りだし始めた


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