緋色の奇跡
クラッシュ症候群は身体の一部が長時間挟まれるなどして圧迫され、その解放後に起こる様々な症候の事を言う

1995年の阪神淡路大震災で、日本に知れ渡ったものである

身体の一部、特に四肢が長時間圧迫を受ける事で、筋肉が損傷を受け、その後圧迫された状態から解放されると、壊死した筋細胞からカリウムなどが血液中に大量に漏出することで、様々な症状を引き起こし、心停止する事もある

戦災、自然災害、事故に伴い、倒壊した建物等の下敷きになるなどして発症する場合が多い

圧迫からの解放直後は、意識があるために軽傷とみなされ、その後重篤となり死に至ることも少なくない


「それ、どうやって治療するわけ??」


私の言葉に凌が私に、クラッシュ症候群の治療法を尋ねた


「主には人工透析によって、血漿交換などの血液浄化療法がいわれるわ」


そう言ってから私は、ここで出来る応急処置を考えた

確か、水を与えてあげる事

水分補給をして、他に出来れば心臓に近い所でゴムバンドなどで締めることで急激に毒素が心臓に回るのを防ぐという事も出来るが、自信のない事をするのも若干気が引ける

考えるよりも先に出来るだけ医者に見せる事が先決か


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