緋色の奇跡
「それは……違うわ」


私が誰に言うでもなく呟いていた言葉を、彼女はすぐに否定した

彼女を見上げてみると、優しい顔つきで私を見つめている


「柊さんはそんなお姉さんじゃないはずよ。妹を助けて自分の命がなくなったからって、恨むような人じゃない。むしろ、助けられて良かったと、神様に感謝するような人よ」

「でも……達杞ちゃんはそうでも、私はやっぱり許されないです。お父さんとお母さんには、絶対に許されない………」


私がうつむいて、彼女から視線を逸らすと、「そんな事ないと思うけどなぁ~」と彼女はまた同じように否定してる


「瑞杞ちゃんのが2人の事避けてない?」


その質問に、私は驚いて顔を上げた


私が?私が2人を避けていた?


そうなのだろうか?

恨まれているのではなく?


「災害用伝言ダイヤル、瑞杞ちゃんちゃんと使った?」


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