緋色の奇跡
「おいおい、ちょっとくらいカッコつけさせて」


そんな風に言われると、それ以上言えなくなってしまう

でもそれではいけない

そう思って、1口液体を飲むと私は「はい」と彼にペットボトルを向けた


「半分こなら良いでしょ?」


そう言って目線を逸らした顔は、きっと真っ赤になっているだろう

だってしょうがない

こんなの、間接キスじゃん


「わぁったよ、飲めばいいんだろ?」


「~病がどうだとか言われた怖いからな」と言いなが、凌は私の手からペットボトルを受け取ると、それに口をつけた

口から喉を通って体内に落ちる液体

その過程で喉仏が動くのを見ながら、何だか恥ずかしくなってくる


……色っぽい


何だか分からないが、彼のその姿にドキドキして、私は俯いて視線をそらした


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