緋色の奇跡
いつもより早めに今日の寝床を確保した私たち

する事もなく手持無沙汰で、公園のベンチに座ってとりあえずひと息つく事にした


「にしても、やっと半分くらい?」

「うーんたぶん……」


震源に近いほど道が崩壊していたため、周り道をする羽目になった私たちは、ようやく今日で半分帰ってきたと言ったところだろう


「あと何日かかるかな~」


うーんと背筋を伸ばしながら私が空を見上げていると、突然可愛い声の主に声をかけられた


「ねぇねぇ」


その声の聞こえる方を見ると、そこに立っていたのは1人の女の子

パッと見、幼稚園か小学生と言ったところだろうか?


「どーした?」


女の子の方に向って、目線を合わせるようにかがんだ凌に倣って、私も同じように彼女のもとに向かっていく



< 79 / 141 >

この作品をシェア

pagetop