緋色の奇跡
さてと、どこに隠れようか……


そう思っていると、凌の姿が見えた

さっきの事を尋ねきれていない私は、彼の後追って茂みに入っていく


「りょ、凌??」


茂みを探すようにかき分けて進んでいくと、静かちゃんの「もーいいかぁーい?」の声が後ろから聞こえた


ヤバっ、もう始まる!!


そう思った瞬間に私はグッと腕を引っ張られて、前にバランスを崩した


「シィー!!」


顔をあげると、そこには凌の顔があった


「お前なぁ、人と同じとこに隠れに来てどうすんだよ」


呆れ声で私を見下ろす彼の瞳

ヒソヒソ声で私に彼は文句を言う

< 84 / 141 >

この作品をシェア

pagetop