緋色の奇跡

「だって、ちょっと気になって」

そう言いながら、私はあまりにも近くに凌の体がある事に気がついた

顔が赤くなるのを隠しながら、バッと身を離して少しどきまぎしてしまう


「気になるって何が？」


そんな私とは打って変わって冷静な凌……


なんか悔しんですけど


そう思いながら、私は凌をキッと睨んでみる


「怖い、鬼の形相になってる」

「失礼な！心配してるの！！」

「心配？」


「何かさっき苦しそうだったから」と言うと、彼は「へ？」と言って私を見つめ返した


「何かさっき苦しそうに見えたから、心配になったのよ！」

「あはは～どこも苦しくないっての。大丈夫だよ」


笑い声を抑えながら笑う凌を見ながら、尚を私が不安な表情を浮かべていると、彼はワシャワシャと私の頭を撫でた