緋色の奇跡
「ごめんごめん」


苦笑しながら謝る沙良に、私がまだ膨れっ面でいると、男性陣2人も笑い続けている


「それじゃあ今日は柊さん中心に見て回りますか!」


そう言って泉くんは私に笑いかけた

こういう顔は昔から変わっていない様子の泉くん

まるで中学時代に戻ったような感覚を覚える

中学最後のクラスメートと言うのは、中学校時代の中で1番印象に残っている

そのクラスの中で仲が良かった私たち4人組

いつもバカみたいに話をして、男子バスケ部と女子バスケ部に放課後はそれぞれ行って、帰りは皆で帰っていた

その後私と沙良は同じ高校に、凌と泉くんは同じ高校と進路が分かれていた

それからは1度も会う事なんてなかった

私の行った高校が私学だったという事もある

勉強の忙しさに、私はほとんど学校以外で家を出る事なんてなくなっていたから

この日、この高校3年生の冬が近づいたこの時期

私たちは、3年ぶりに再会したんだ―――――


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