緋色の奇跡
「手ぇ、握ってて……って言っちゃダメ?」
結局再び押し寄せた不安に、私は凌の方をチラリと見て、そう言葉を紡いだ
私のその言葉に彼はクスクスと笑うと、手を私の方に差し出した
その手を掴んでみると、自分の手が冷たくなっていたのだと分かった
緊張したり、不安に思っていたりすると、人の手は冷たくなるのだと聞いたことがある
そう思って心の中で苦笑すると、私は171の番号をプッシュした
少しして繋がる災害用伝言ダイヤル
音声ガイダンスの指示に従って、私はまず自分の番号にメッセージが入っているかを確かめた
『メッセージは10件です』
その言葉に私は目を見開く
10件
それは最大録音件数だ
片方の手で凌の手を握りしめ、もう片方の震える指で再生ボタンを押す
結局再び押し寄せた不安に、私は凌の方をチラリと見て、そう言葉を紡いだ
私のその言葉に彼はクスクスと笑うと、手を私の方に差し出した
その手を掴んでみると、自分の手が冷たくなっていたのだと分かった
緊張したり、不安に思っていたりすると、人の手は冷たくなるのだと聞いたことがある
そう思って心の中で苦笑すると、私は171の番号をプッシュした
少しして繋がる災害用伝言ダイヤル
音声ガイダンスの指示に従って、私はまず自分の番号にメッセージが入っているかを確かめた
『メッセージは10件です』
その言葉に私は目を見開く
10件
それは最大録音件数だ
片方の手で凌の手を握りしめ、もう片方の震える指で再生ボタンを押す