妄想バレンタイン《短編》
待てよ…?


下駄箱を開けたらラブレターが…って話、漫画とかであるよな。


この扉を開けたら、チョコレートが入っているかも知れない。


もしそうだったら…。


もし、チョコレートがあったら…。


無表情で取り出して、素早く鞄にしまわなくては。



−バンッ!



思った以上に、扉が勢い良く開いて焦ったが、素知らぬ振りをして中を見た。



………………。



下駄箱の中には、俺の上履きが白けた感じで並んでいるだけだった。



そうか!


今の世の中、そんな古風な手を使う女子なんていないよな!



俺…ポジティブかも…。
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