sweet love
『梓依?どうだった?』

帰るとおねえちゃんが聞いた。

『別に…』

『まぁ妹だしなにもしないか…』

妹…だから。そんなことしってたよ。

だけど、もう妹じゃ我慢できない。

あたしは相手にもされてないの?

あたしはずっと亮さんの妹なの。

『あたしは妹でいいの!』

がちゃ!
勢いよく部屋のドアを閉めた。

妹…妹…。

自分に言い聞かせるほど嫌になる。

亮さんはあたしより好きな誰かがいてあたしには言えない誰か。

あたしは妹。何で舞い上がっていたんだろう。
手も出してこないただの妹なのに、

亮さん。

妹のままでいたくないんだ。











亮さんにあたし以上に大切な人がいてほしくないんだ。

なんて、我儘なのかな。

でもこれがあたしの気持ち。

嘘や偽りのない本当のきもち。
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