執事と羊
「羊.........ごめんなさい。
羊とは婚約できない。
あたし、宝井さんの事が好き。」
あたしに出来ることは
きっと自分の気持ちを伝えること。
ずっと曖昧にしていたから
こんな風になっちゃったんだ....
全部あたしのせい....
「美優お嬢様.......
そういうことなので、
今日はおひきとり下さい。
せっかくのお祝い事ですが
私たちは帰るので、踊るなら
執事の方とどうぞ?」
「行きますよ?
もう迎えが来ていると思いますから。」
あたしは宝井さんに腕を引かれ
羊の元から去った。
力強くて、温かい。
好きってこういう事をいうんだね。
羊はその場に立ち尽くしたまま
下を向いていた。