執事と羊
「.....美優お嬢様は大丈夫なのですか?」
あたし?
大丈夫って......
「羊様のこと、思い出してしまうのでは
ないんですか?」
.......そう...かも......
でも、今のあたしには宝井さんが
側にいてくれている。
羊のことは悲しい思い出になったけれど
宝井さんと一緒なら、
楽しい思い出に作り変えられるわ。
思い出なんて、修正してしまえば
案外嫌なことも忘れられるはず......
「宝井さん......」
「はい?」
「あの裏庭で.....あたしと
踊ってくれませんか?」
宝井さんとなら....大丈夫。