執事と羊
「何......コレ.....」
薄っぺらい紙にボールペン
それに朱肉とハンコまで.....
「コレにサインしなさい。」
「お父さん.....コレ.......」
それは婚姻届だった。
左上に『婚姻届』としっかり書かれている。
「美優は好きなのか?
コレにサイン出来ないようなら
それは本当に好きといえない。
ましてや、愛だなんて簡単に言って欲しくない。」
差し出された婚姻届に
あたしはびっくりする。
「反対......してるんじゃないの?」
そうだよ。
あたしの頬を思い切り叩いて
怒鳴ったじゃない。
それなのに、次は婚姻届にサイン?
言ってる意味が全然わかんないよ。