執事と羊




すっかり場の空気も馴染み
今日は宝井さんの両親が泊まっていく。



「いつ、これ出しに行くの?」



あたしはお父さんに訊ねた。



「そうだな〜
いつでもいいんだが.......」



「旦那様、「旦那様なんて辞めてくれ。
お父さんで結構だよ。」



「あっ、はい.....


それは、美優お嬢様が20歳になってから
出したいのですが.......」



20歳.....


二十歳まであと3年。


いいの?

あたしはもう結婚だって出来る年なんだよ?



それなのに、あと3年も.....




「なんで二十歳なんだ?」



「二十歳で美優お嬢様の執事を辞めます。
そして、副社長に戻ろうかと....


それが、私のケジメです。」



二十歳。


それは大人になったって認められる年。
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