執事と羊
そういえば......
全然水分をとってなかったから
喉がカラカラ......
少し、紅茶でも飲もうかな?
「はい。お願いします。」
宝井さんの提案をのみこみ、
部屋に通す。
宝井さんの服装はまだ
スーツっぽいまま......
「こちらは、アプリコットでございます。
香りがよく、美優お嬢様も
お気に召すかと思います。」
宝井さんが運んできてくれたのは、
アプリコット。
美味しそうに注がれていて
香りが漂ってくる。
「ありがとう。
宝井さんも一緒に飲まないの?」
1人だけ飲むのは気がすすまない。
それに、見られているのも
どこか落ち着かないないし。
「私は美味しそうに召し上がる
美優お嬢様の顔が見れればそれで充分です。」
軽く微笑み、目尻に皺をつくる
宝井さん。
初めてみた。
その微笑み。