執事と羊
「あたしは大丈夫だよ。
ほら、行ってきて?」
「あぁ....分かりました。」
執事口調で言う龍夜は
あたしの事を心配しているけれど
あたしは大丈夫。
そんな気がした。
「部屋から出ないで下さいよ?
鍵も閉めておいてください。」
「分かってる。」
あたしは龍夜に背を向けて
螺旋状の階段を登っていった。
「あっ.......」
登りきった所で
あたしの視界に入ってきたのは
可笑しいと思っていた瑠衣さんだった。
「お帰りなさい。子猫ちゃん?」
「ただいま....です。」
何となく警戒する。