執事と羊
玄関を通り、螺旋状の階段を登っていく。
その間にも心拍数があがっているのが、自分も分かる。
「美優お嬢様、大丈夫ですよ。
なんなら、約束をもう1つ増やして
私が言いましょうか?」
心配してるのか、
その先を期待しているのか分からない。
けど、宝井さんが少し
いや、半分面白がっているのが伝わってくる
「結構よ。
でも.......傍にはいてね。」
「ふっ、かしこまりました。」
こうやって笑う時だけ
一瞬少年のような顔をする宝井さん。
そして、お父さんがいつもいる
部屋の前についた。
ドキン.....ドキン....
と、恐怖にも似た緊張があたしを襲う
コンコン
「お父さん?」
「..................入りなさい。」