執事と羊
何を言っているんだ。
「美優はこの相原財閥の跡取りなんだぞ。
分かっているのか?」
分かんないよ
あたし、そんなふうに考えたことなかった。
「旦那様、こういうのはどうでしょう?
美優お嬢様に相手が必要なのですよね?
だったら、お嬢様に好きな相手ができればいいのです。」
あたしに好きな人?
「宝井くん。
何を言っているんだね。
そう簡単に好きな相手ができるわけないだろう。」
確かにそうだけど、
好きでもない相手と結婚するよりは、いい。
「お父さん!!!少しでいいから....
時間を頂戴?
無理に作るとは言わない。
どうしても相手がいなければ、
羊と婚約するから!!」
無謀なことだと分かっていても
このまま婚約したくない...