執事と羊
「あたしなんか、別に良いところだってないし
なんで?」
奪えそう?
無理だよ。
あたしの中にはいつでも龍夜がいるんだから。
「なぁ、一目惚れって信じる?」
急に足を止めて
ゆっくりと振り返る。
暗いからかな?
あたしの鼓動が少しはねた。
一目惚れ・・・
信じる?って言われてあたしは信じる?
あたしが龍夜を好きになったのって
一目惚れじゃないからわからないけど
そういうのから始まる恋だってあるのかもしれない。
なら、
「あるんじゃない?」
「・・・・・そっか。
俺、お前に一目惚れした。」