執事と羊



「っ!!そういう問題じゃないって!!!」




あたしは尚も抵抗を辞めない



龍夜以外の人の腕の中にいることが
龍夜を裏切ってしまっているようで
何処かで龍夜が見ているんじゃないかって
それが嫌で、誤解されたくない




「なぁ.....この気持ち誰にぶつければいいの?
教えてよ」




応えられない


あたしは遼くんの気持ちに応えられない


どうやっても
どんなに考えても
たとえ、あたしが記憶喪失になっても
龍夜を選ぶから。





「ごめんっ...離して....」



できるだけ、静かな声で言った


これ以上怒鳴りたくないから



それが伝わったのか
遼くんはあっさりと離してくれた




でも..沈黙。






「俺、絶対に美優を奪うから」
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