執事と羊
リビングらしき部屋の入った
「ソファにでも座って?」
龍夜はそう言ってキッチンへと
消えていった
あたしは中々落ち着かず
ソファに座ってもそわそわ
部屋はモノクロで統一されていて
あまり家具は置かれていない
今気付いたんだけど
部屋にメイドさんやシェフがいない
この部屋にはあたしと龍夜だけ
「はい。」
マグカップに入ったコーヒーを渡され
遠慮がちにそれを受け取る
「...ありがと...」
龍夜はあたしの隣に座って
コーヒーを一口飲んだ
そして、
「改めて、ただいま」
優しく微笑んでくれた
それを見ただけであたしの涙線は決壊
半年の想いが一瞬にして
溢れ出た