執事と羊


リビングらしき部屋の入った




「ソファにでも座って?」


龍夜はそう言ってキッチンへと
消えていった



あたしは中々落ち着かず
ソファに座ってもそわそわ


部屋はモノクロで統一されていて
あまり家具は置かれていない


今気付いたんだけど
部屋にメイドさんやシェフがいない



この部屋にはあたしと龍夜だけ





「はい。」


マグカップに入ったコーヒーを渡され
遠慮がちにそれを受け取る



「...ありがと...」



龍夜はあたしの隣に座って
コーヒーを一口飲んだ



そして、




「改めて、ただいま」


優しく微笑んでくれた


それを見ただけであたしの涙線は決壊


半年の想いが一瞬にして
溢れ出た





< 437 / 536 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop