執事と羊
「美優...」
「羊........」
羊はあたしの婚約者だった人
羊は好きと言ってくれたけど
あたし、好きになれなかった。
やっぱり、今も『友達』
っていう一定の枠にいる
高校生の時、キスマークを付けられて
羊のことを怖いと思ったし
嫌いとも思った。
でも、羊も辛かったんだよね
好きな人に『好き』と気付かれない
ことはとても辛いから。
今なら....面と向かって話せる
「幸せ?」
幸せだよ
羊っていう友達がいて
「うん。」
「ならよかった。
俺にとって美優は初恋の人だから......
あんなことあったけど、
幸せになってください。」
「ありがとっ」
涙を流すことは何度もあった
嬉し涙。悲し涙
今のは嬉し涙