執事と羊
「メイドのまま」
「あっ、本当だ」
メイド服のままだと気付いても
今はどうにもすることができない
でも、周りの視線が凄く気になる
そりゃあ、メイドと執事が手を繋いで
廊下を平然と歩いていたら変....なのかな?
「服、教室だよな?」
「う、うん」
「じゃあ、暫くはこの格好か......」
「龍夜はいいの?」
「何が?」
「執事のままだったから....
その、あたしのせいで」
暫く長い沈黙があったけれど
龍夜が口を開いた
「執事の格好はいつものことだから
別のにじゃないよ。
それに、俺は美優の傍にいれるだけでいいから
美優が責任を感じることはない」
龍夜の低い甘い声があたしの心に
染み渡る