執事と羊

コーヒーを持つ手が震えながらも
なんとか置くことができた



「メイドさん、手震えていますよ?」



ニヤリと口元を緩ませ
あたしに問いかけてきた



龍夜が相手だから緊張しているのに。



でも、絶対気付いてる


気付いてながらも
そういうんだ。



「すみません。」



「仕事、頑張って」



いきなり励ましの言葉を言われて
あたしの表情が綻ぶ



さっきまでムッとしていたのに
龍夜の一言でこんなにも変わるあたしって.....



龍夜ペースにまんまとのせられてる。



でも逆らうことはできない。


「ありがとう...ございます」



そう言ってテーブルから離れた



「何ニヤニヤしてるの?
龍夜さんに何か言われた?」