執事と羊
「じゃあ、今日はステーキを
お願いしますね。」
「本当にお食べになるんですか?
カロリーが高いですよ?」
どうやら、本気にしたらしく
ちょっと心配している。
だって、あたしはステーキが
大の嫌いだから.......
「嘘に決まっているでしょ?
わざわざ自分が嫌いなもの
食べないわよ。」
「そうですね?」
えくぼをつくって
優しく笑う宝井さん。
なんか、この人の笑みって
あたしを落ち着かせるなぁ......
「お嬢様。
他の男になびきましたか?」
急に真剣な目つきになって
上から見下ろしてきた。
「なびくって?」