アイドル彼女【続編】
泣き虫姫にキス
―陸―
この時を待っていたのにさっきから黙り込んでいる静香に戸惑い、つい俺も黙ってしまった。
黙々と流れていく綺麗な景色と観覧車のタイムリミットの時間。
俺は、ずっと外を眺めている静香の隣に座った。
少し傾く椅子にビックリした静香は、隣に座る俺に顔を向けた。
「陽助のこと考えてたの?」
少し口を尖らせ静香を軽く睨むと顔を背けた。
「な、ち、違うよ!!綺麗だなぁ〜って思ってただけだよ!!」
慌てる静香に嘘くさいと心の中でバカにするとまた静香に顔を向けた。
「へーっ。こんなかっこいい彼氏が目の前にいたのに彼氏より外の景色に釘付けですかぁー」
半分棒読みで静香にそう言うと静香は、涙目になりながら
「違うもん!」
と俺を睨んだ。
まぁた、これが可愛いんですよ。
俺、理性保てねぇっての。