パパとママのヒミツ♪
最後の方はこそっとあたしの耳に囁くように
顔は見えないけど
声のトーンでわかる。
どこか勝ち誇ったようで
そして面白がってるよう。
こんなんじゃせっかく京都に来たのに
ちっとも楽しめないじゃない!!
「ここってお昼すごい人なんだね?」
あたしの反対に座ってるユウちゃんが珍しそうにお店をきょろきょろ見回している。
「ここ、雑誌にも載ってるお店だしね。お昼時はいつも混んでるんだって」
ガイドブックを見ながらあやめちゃんがそう答える。
「そうなんだ・・・てか高橋、お前いつから佐山さんと付き合ってるんだよ?」
一緒のグループの工藤くんがからかうように言ってくる。
「いつからって・・それは秘密だよ~なっ、メイ?」
メイなんて
想にしか呼ばれたくないのに!!
「へ~もう名前で呼んでるんだ♪」
「付き合うなら早く言ってよね?」
「そうそう!じゃ、うちらは午後から別行動ってことにしとく?ねぇ想?」
あやめちゃんが想の腕に絡みつきながら頭を想の肩に置いてる。
やだ・・
そこはあたしの場所なのに・・
触ってほしくないのに・・
想は一度あたしの方を見てからあやめちゃんに視線を戻して
「あぁそうだな。じゃ、高橋と佐山はここから別行動っつーことで」