精神安定剤
コンビニから、明海が出て、家に帰ったのは、午後六時を少しまわったところだった。



それから、明海が動き出す、午後九時までは、特に動きはなく、ひたすら、加賀屋と佐野は家の前で待った。



待っている間は、佐野は、明海が事件に関係しているとは思えないと、加賀屋に向かって何度も言った。



その度に、加賀屋は、疑いを持ち始めたことなど、一つ一つ説明した。
 


「でもさ、加賀屋、あいつはまじめがとりえだぞ。事件に関係しているわけないよ。


確かに、今回の事件の犯人説で、女ということも考えにあるけど、本間が関係・・・?


今日何もおきないんじゃないか?コンビニから帰ってきて、何も動きないし、そろそろあきらめろ。」
 


「佐野さん、もう少し、今日一日、様子を見てください。


そうすれば、本間さんが関係しているか、関係していないかハッキリすると思います。


僕だって、本間さんは事件に何も関係ないと信じたいです。」
 


そんな会話が、待っている間、何度も繰り返された。
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