精神安定剤
情緒不安定を落ち着けるために・・
７月６日事件は起きた。
　


明海は、仕事で、いつものように同僚にからかわれ、上司からはいやみを言われ、苛々しながら、家に帰っていた。



帰る途中、いつものように、コンビニでご飯を買って帰った。



その日は、とにかく早く家に帰り、一人になりたかったので、いつもなら通らない、狭くて暗い、人通りの少ない、近道を通って帰っていた。
　



ちょうど、抜け道の真ん中辺りに来たとき、一人の中年の男が、明海を道のすぐ横の空き家に連れ込もうと襲いかかってきた。




後ろから襲い掛かってきたその男を、何の迷いもなく、いとも簡単に明海は、投げ飛ばした。




普段から訓練していたので、男の１人ぐらい投げ飛ばすことは、簡単だった。




投げ飛ばされた男は、予想外の出来事で受身を取ることが出来ず、地面に身体を打ちつけた。




そして、男の後頭部が、たまたま地面にあった、大きな石に打ちけられた。



男は、頭から、血を流し、意識を失ったが、そんな男を見ながら明海は、


『いい気味だ。苛々している私。早く帰りたいのに邪魔した、お前が悪い。』


と心の中で吐き捨てながら、意識をなくしている男を置き去りにして、家路を急いだ。
　



家に帰った明海は、何事もなかったかのように、その日を過ごし寝た。



しかし、明海の心の何処かで、爽快な気分があり、すっきりと久しぶりに寝ることが出来た。
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