精神安定剤
五十嵐の死は犯罪の可能性が、高いということで、捜査本部が置かれることになった。



なぜ、犯罪の可能性が出てきたかと言うと、滑って転ぶような状況ではなかったこと。



五十嵐の体からは、アルコールなども検出されなかった。



また、五十嵐の手には、ボタンが握られていたからだ。ボタン以外に、有力な証拠になるものは無かったし、目撃者もいなかった。
 



明海に抱きついたときに、シャツの中に手を入れようボタンに手をかけたときに、そのまま投げ飛ばされ、その勢いでボタンが取れたんだろう。



ボタンが取れたことなど、明海は気付かなかった。
 


しかし、そのボタンも、犯人につながる大きな証拠にはならなかった。



なぜならば、ボタンの付いていたシャツは、全国の量販店で、大量に売られている、男物のシャツだからだ。



男物のシャツだったことで、犯人は男の可能性が高いという方向になった。



明海が疑われることは、全くなかった。
 


明海は、普段から、大き目の洋服を着ていたので、男物を着ていることもよくあり、その日に特別男物を着ていたということはなかった。
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